2012年12月17日月曜日

銀塩写真集

一度書くのをやめると面倒で面倒で、それがブログってものですね。
写真を撮るのもかなり行き詰って、撮りたい写真や表現
色、空気の感じ、諸々がわからなくなりました。

そんなこともあったり、夏バテで屋外で写真撮るのも面倒で
それがきっかけでか、ふと銀塩写真の写真集を読み漁るなんてことを
ヒマがある時にやってます。
モノクロの写真集もカラーの写真集も。
特にモノクロの写真集はモノクロ故に見えてくる自分の
イメージする色の世界がとても新鮮です。
それが撮影された瞬間の色と違ったとしても。

常に行き当たるのがデジタル画像と写真の違い、
写真と現実の境界というか。
そもそも写真って何だ?となるわけです。
あたかも現実っぽいソレを作り上げるのも多分写真。
それを否定することはありませんが。。

どんな写真集を見てきたかと言えばキリがないですし、
その中では報道写真展を実際に見てみたり、あるいは
ジャーナリズムというものを少し意識してみたり。
いや、超解像の動画が主流で静止画はお手軽が
主流の今、なんだか色々思うものがありました。

勿論今更ながら木村伊兵衛さんや土門拳さんの写真集も
目を通せるものは目を通しました。
本当に今更です。

そんな中で一冊の大型写真集を見る機会がありました。

MAGNUM CONTACT SHEETS(マグナム・コンタクトシート) 写真家の眼―フィルムに残された生の痕跡

コンタクトシート、イマドキ耳にする言葉ではありません。
ネガの何コマ目が採用になったのかを示す印、その前後に
映しだされているものも含めて新鮮でした。
価格を考えてもこの写真集を目にするチャンスがあったのは
とても有難いことでした。


そして新鮮さ(今更)を感じたのはこういう感じです。

奈良原一高「円 En―Circular Vision」

戦争・平和・子どもたち―ロバート・キャパ写真集


なんでこの2冊なんでしょう、自分でもわかりません。
後者はジャーナリストとして、特に戦場写真を撮る
プロのカメラマンというイメージだけが私の中で先行していたので
その題材と映しだされている子どもたちの写真が強く
印象に残ったのかも知れません。

奈良原一高さんの写真、特にこの写真は円で
トリミングしても尚世界観を強烈に写しだしている。
自分はそこまでイメージしてシャッターを切っているのだろうか?
勿論プロと比較するなど愚かな事ですけれど。

特に写真を勉強したわけでもないため、そもそも
偉大なカメラマンの作品を真剣に見たなんて記憶がありません。
カメラ雑誌で紹介されるスナップやら、写真集を見ても
斜め読みばかりしてきたのが事実です。
そして今更ながら、特に銀塩写真時代の写真集を
見るとオリジナルプリントとは比べ物にならないとしても、
オリジナルプリントを想像せずには居られません。

しかし銀塩写真の中には50年も前に電子補正もなく、
おそらくはファインダーの中のフレームも正確なものでなく、
それでも計算されつくしてトリミングしなくても正確な
フレーム、やっぱり神業にしか見えません。
今や電子補正てんこ盛り、カメラとレンズのチカラ技で
適当に撮っても適当にトリミングしちゃえばソコソコ見られる
写真を作り出すことができる。
当時、それを瞬時に人間の技でやっているというのは
やっぱり凄い事です。

そうか、写真はプリントしてこそ写真なんだなぁ。
液晶ディスプレイで等倍鑑賞するものは単なるデジタル画像、
やっぱり写真はプリントしてこそ写真なんじゃないだろうか。
当たり前といえば当たり前かも知れません。
そんなことを今更思う師走です。

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