2010年4月22日木曜日

誰かにレンズを向けるということ

ブログの更新が停滞している。
天気も悪いし、いまいち気持ちもパッとしない。




3月の終わりに撮った一枚の写真がずっとひっかかっている。
この日撮った写真は350枚弱。 
時々ふと、あまり考えずに全く知らない人にレンズを
向けて、断りもなく写真を撮ってしまうことがある。
素人の撮り手からすればアクセントだったり、その方の
表情だったりに魅力を感じたからなのは言うまでもなく。
アクセントと書くととても失礼ではあるけれども。

でも、相手からすれば大きなレンズをいきなり向けられたら。
それがとても気になっている。
最近はメンドウだからアレだが、前は髪の毛をあげて
世間という風当たりの空気抵抗を真っ向から受け止めて。
イマドキ、キラーループのサングラスした怪しいオッサンが
いきなりサングラスを上にずらしてカメラ向けたらねぇ。
胸元にはスカルのネックレスしてた事もある。
今でもたまにしてるけど。

3月の終わりに撮った写真は、稲村ヶ崎から富士山と夕日を
狙ったものの、春先の澱んだ空気と気ままな雲の流れで
諦めかけたときの光景だった。
年配、いや年配というと失礼ではあるけれど、ご夫婦が
江ノ島の方向に向かって腰掛けて歓談されているのを
マニュアルレンズでモノクロモードで撮った写真だった。
ピントは江ノ島に、ご夫婦を少しボカした感じで。
10m 弱くらい後ろから135mm のマニュアル望遠で
撮ったので、ご夫婦は気付くことはない。
モノクロも狙ってのことだし、江ノ島をボカさずに
ご夫婦をボカしたのも狙ってのこと。
その光景が羨ましかった事も多分にある。
とても素敵な光景だったんだ。
声をかけて写真を撮らせてもらう場面でもなかったのもあるが、
何か大事な事を忘れている気がしている。

安物ばかりとはいえ、機材も揃っていい気になってないか?
自然に感謝することはあっても、ファインダーの中に映る
話をしたこともない人を無造作に撮ってはいないか?

ファインダーを覗いている時、僕は本当に自分本位になる。
せめて感謝の気持ちを込めようと思った。
それを忘れないという強い気持ちも。

さて、用事は済んだ。
ノートパソコンを濡らさないように帰ろう。

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